無線LAN親機 - 正しいアンテナの角度と本体の向きとは?

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無線LAN親機のアンテナの角度・曲げ方ってどうするといいのでしょう?

もちろん、新しい機器を購入・更新すればより良い通信環境が得られますが、現在持っている機器だけでもっと通信速度を上げるためには、何をすれば良いのでしょうか?

前記事「ベストな配置とは?」の続きです。まだご覧になっていない方はこちらを先にご確認ください。

※情報元はバッファロー社のHPです。

  

実際にやってみて分かった事

実際にこれからご紹介する内容をやってみた結果、効果がありました。その上で「そうなんだ!?」と驚いた事があったので、最初に書いておきます。(^_^;

無線LAN親機は正面を向いている状態が正しいわけじゃない

普通に考えると「無線LANの親機って正面をこちらに向けて置くのが正しい」と思いませんか?私もそうだと思ってロゴとLEDが表示されている「機器の正面を自分に向けて置いてた」のです。つまり……

「ロゴとLEDがついている側に電波が飛ぶ」と思っていた

のですが、実はそうではないんです。(^_^;

私が使っている無線LANの親機は「バッファローのWZR-AGL300NH」です。

WZR-AGL_300NH

この機種は正面から見ると左側にアンテナが3本立っています。この場合、普通に考えると「この写真の正面をこちらに向ける」ように置きますよね?ところが……

これを図のようにここに、この角度で配置した場合、この家を囲うようには電波が飛ばないのです。(理由は後述します)

電波はこう飛ぶ

アンテナの角度は写真の通りが正しいわけじゃない

アンテナの角度も同様で、写真にあるような3本を垂直に立てるのがベストではなく、扇状に広げることで、面を構成させる。さらに電波を飛ばしたい方向へ、親機本体を向かせる必要がありました……。orz

WZR-AGL_300NH

アンテナの本数が増えると電波の向きを複数に分ける事ができる

個人的には「アンテナの数が増えればそのぶん強い電波が飛ぶのだろう」程度に考えていました。その考え自体は間違ってはいないのですが、それだけではなく、別の意味もあったのです……。
( ̄Д ̄;)

それでは詳しく見て見ましょう。是非、最後までお読みいただき、可能な対策をやってみてください!(^o^)/

  

アンテナのついている機種とついていない機種

無線LANの親機には……

  • アンテナがついていないもの
  • アンテナがついているもの

があります。また、アンテナの数も1~4本と様々です。

アンテナがついていないもの

外見でアンテナがついていないように見える機種です。実際にはアンテナが内包されており、外からは見えないだけでアンテナがついています。この機種の場合は「アンテナの角度が調整できない」ため、「設置場所」のみが有効です。(一応可能性として本体の向きについて後述します)

アンテナがついているもの

外見でアンテナが1~4本ついている機種です。この機種はアンテナの角度を調整することで、電波の飛ぶ方向を変更することができます。「設置場所」と「アンテナの角度を調整」の両方が有効です。

では、詳細を見てみましょう。

  

アンテナの角度と本体の向きを調整しよう

ここでは無線LAN親機からアンテナが出ていて、それを自由に曲げられる機種が対象です。(可能性として、アンテナが出ていない機種の本体の向きについても後述します)

ではそれぞれの機種の「電波が出やすい方向」を確認しましょう。

アンテナが1本の場合

▼電波が飛ぶ方向

アンテナが1本の場合、電波はアンテナに対して垂直に飛んでいます。(アンテナを垂直に立てた場合、電波はアンテナを取り囲むように水平方向に飛んでいます)

アンテナ1本 電波が飛ぶ方向

電波の方位は360度で、(ある意味指向性はあるといえばあるのですが、単一方向に飛ぶという)指向性はありません。

▼曲げると

アンテナを曲げた場合、電波は(アンテナに対して垂直方向に出ているので)アンテナの角度に合わせて斜めに飛びます。

アンテナ1本 曲げると
▼ベストな角度

1フロア(1階層)で使っているならば、アンテナは垂直に立てるのがベストです。斜めにすると水平方向と垂直方向を両立させる贅沢な角度になりますが、この場合どちらも弱めです。垂直方向(上下の階)を重視したい場合はアンテナを水平に倒します。

アンテナ1本 上下の階を重視するなら

「水平に倒す場合」は、可能であれば本体の外側へ倒しましょう。そうしないと本体が電波の邪魔をしてしまいます。または本体そのものを倒すとかして、本体がアンテナの邪魔にならないように注意しましょう。また、本体を置いている台も電波の邪魔になってしまうので、可能であればアンテナが台からはみ出すように置きましょう(2階に設置して、1階にも電波を届かせる場合の考え方)。

  

アンテナが2本以上の場合は面になる

実はここが「私が一番驚いた内容(最もお伝えしたい内容)」なのですが……

アンテナが2本以上になると、それら複数のアンテナで構成される「面」として機能する事が出来るようになり、「電波はその面に対して垂直に飛びやすくなる」。

のです!ご存知でしたか?(^_^;
ちょっと語弊があるので訂正します。

「アンテナが1本の場合、そのアンテナに対して垂直に飛ぶ」と書きました。この内容と「2本以上になると面として機能する事が出来る」は近い内容なんです。

解説すると

アンテナが2本の機種で説明します。

それぞれのアンテナはアンテナ1本と同じように機能します。つまり「それぞれのアンテナに対して垂直に360度の電波が飛んでいる状態です。

アンテナ2本 それぞれから電波

そしてこの2本のアンテナが持つ共通の方向には「より強く電波が飛びやすくなる」という事で。

2本のアンテナを別の角度に向けた場合、それぞれのアンテナの垂直方向に電波が飛び、且つ、それら2本で構成される面の垂直方向により強く電波が飛ぶ(2本だとどんな角度にしても少なからず面になる)。

という事なのです。そしてこれらを利用すると……

アンテナの数が多いほど、(1つの面として構成するよりも弱くなるけど)複数の方向へ分けて飛ばす事が出来る

という意味です。

アンテナ2本 面構成

この図↑の「緑の面」が2本のアンテナによって構成される面。「青い楕円と矢印」がその面によって構成された「さらに強く電波が飛ぶ方向」です。

面として構成させるためのベストな角度

そしてさらに調べてみたら、これら面として構成させるためのベストな角度がありました。(それぞれの説明項目に詳しく書きます)

  

アンテナが2本の場合

▼電波が飛ぶ方向

それぞれのアンテナから、垂直方向に360度飛ぶ。

2本のアンテナで構成される面に対して垂直に「より強く」飛ぶ。

アンテナ2本 面構成
▼曲げると

2本の場合、どうやっても面になるので、その面の垂直方向に飛ぶ。(面が小さくなった場合、面の効果とアンテナ単体の効果のどちらが強いかは不明)

▼ベストな角度

2本の場合、面を構成するベストな角度は「45度(アンテナ同士の角度は90度)」です。

アンテナ2本 ベストな角度

1フロアで使っているなら、面をより飛ばしたい方向へ向けます(マンションやアパートの場合、部屋が長い場合が多いので、その長手方向)。アンテナを曲げても良いですし、本体を回転させても良いです。

複数のフロアで使っているなら、面を斜めにする(1階と他の階の両方に飛ばすが、弱めになる)か、上下の階を重視するなら、面が上下に向くようにアンテナを水平に倒します。

アンテナ2本 上下階を重視

何れも「面の垂直方向に飛ぶ」ことを意識してみてください。

  

アンテナが3本の場合

▼電波が飛ぶ方向

それぞれのアンテナから、垂直方向に360度飛ぶ。アンテナで構成される面に対して垂直に「より強く」飛ぶ。

アンテナ3本 面構成

基本的な考え方は2本の場合と変わりません。(わかりづらくなりそうだったので図には書いていませんが)それぞれのアンテナから垂直に360度に飛んでいるので、「こっちにも飛びますよ」という意図で小さな赤い矢印を書き、「面に対してはさらに強く飛びますよ」という意図で書きました。

▼曲げると

3本の場合、面と単独のアンテナの2つの構成(指向性)を作る事が出来るようになります。

アンテナ3本 曲げると

図の場合、中央を水平に倒して上下の階用にし、左右で面を構成して水平(本体を配置してあるフロアー)用にしました。この場合、面(水平方向)の方が電波が強く「本体を設置してあるフロアー重視」で、補助的に上にも電波を振るというやり方です。

本体を設置してあるフロアーよりも上下階を強くする場合は、この逆(中央を立てて、左右を倒す)にすると良いです。

▼ベストな角度
1つの面として動作させる場合(1フロア)

中央は垂直に。左右は中央から見て45度にする。

こうして構成された面を「飛ばしたい方向」へ向ける(本体を回転させる)。

アンテナ3本 ベストな角度

図の場合、3本で一つの面を作る「最も指向性の高い方法」です。左右のアンテナを倒したり、中央のアンテナを倒したりして「面と単独アンテナ」を作る場合、左右のアンテナの45度はキープしたままで倒しましょう。2本で面を構成するためのベストな角度は45度(互いのアンテナから見て90度)です。

アンテナ3本 1フロア
1つの面として動作させる場合(2フロア)

上記で構成した「面を斜め45度に倒す」。アンテナを倒しても良いですし、本体を倒しても良いです。

この場合、配置場所も重要です。仮に2階建の場合……

  • 二階の端から斜め下に飛ばす
  • 一階の端から斜め上に飛ばす

この2つの方法があり、それぞれは「建物を斜めに横断するように飛ばす」というやり方です。

二階の端から斜め下に飛ばすなら、二階の端の少し高いところへ配置して、電波が出る方向を斜め下へ向ける。

一階の端から斜め上へ飛ばすなら、一階の端の低めのところへ配置して、電波が出る方向を斜め上へ向けます。

2つの構成にする場合(2フロア)

中央を垂直に立てる。左右は水平に倒して2本の間が90度(中央から見てそれぞれ45度)になるようにする。

アンテナ3本 複数フロア

例えばこうすると、中央は水平方向(赤い楕円)へ飛ばし、左右のアンテナで構成される面は垂直方向(青い楕円)へ電波を飛ばします。この場合、(緑色の)面が垂直方向へ向いているので、電波は垂直方向により強く飛び、他のフロアを重視した設定です。

  

アンテナが4本の場合

▼電波が飛ぶ方向

それぞれのアンテナから、垂直方向に360度飛ぶ。

アンテナで構成される面に対して垂直に「より強く」飛ぶ。

基本的には2本の場合のと違いはありません。アンテナが4本になることで、2つの面を構成でき、1つの面の場合はより強く面の垂直方向に飛ばすことができます。

▼曲げると

4本の場合、面を2つの構成(指向性)に分ける事が出来るようになります。1面で構成する場合と2面で構成する場合とでアンテナの角度が違います。ご注意ください。

▼ベストな角度
1つの面として動作させる場合(1フロア)

中央の2本は正面から見て「左右に22.5度」倒します。両端はそれぞれ「左右に67.5度」倒します。

アンテナ4本 1面構成

こうして構成された面を「飛ばしたい方向」へ向ける。

1つの面として動作させる場合(2フロア)

上記で構成した「面を斜め45度に倒す」。

この場合、配置場所も重要です。(アンテナ3本の項目をごらんください)

2つの構成にする場合(2フロア)

中央2本を垂直に立て、それぞれの間が90度になるようにする。両端は水平に倒し、それぞれの間が90度になるようにする。

アンテナ4本 2面構成

※この場合、それぞれの面を作るので、アンテナの角度は「4本で1つの面構成をする場合」とは異なり、それぞれの面を構成するアンテナが90度になるようにします。

こうすると、中央2本で構成される面(緑)は水平方向へ飛ばし、両端のアンテナで構成される面(青)は垂直方向へ電波を飛ばします。

  

アンテナが内蔵されている機種(アンテナが0本に見える機種)の場合

アンテナが内蔵されている機種(アンテナが0本に見える機種)の場合、基本的にはアンテナの角度によって調整する事ができません。しかし、アンテナが無い訳ではないので、ここまでの知識を踏まえ、予測できる対処法を書いてみます。

本体そのものの向きを変えてみる

ここまでの知識から「アンテナがある以上、何かしらの指向性はある(アンテナ1本であっても、アンテナに対して垂直方向に伸びるという指向性はある)」と考えられます。であればその指向性を調べて、本体の向きを変える事で「今よりも自分の環境に合わせて電波を発信できる」ようにする事が出来るのではないでしょうか?

問題は「どちら向きに電波が出ているか判断できない」事でしょうか?

その際問題になるのは、アンテナが見えないので「どの方向に電波の指向性があるのかわからない」事ですよね。であれば調べちゃいましょう。

WiFiの電波を調べるアプリ

  • Androidなら「Wifi Analyzer」
  • iOSなら「Wi-Fi SweetSpots」

あたりが一般的でしょうか。

これらのアプリで「リアルタイムで計測しながら、無線LAN親機の本体を回転させて、目的の方向に最も強い電波が出るようにすればいい」わけです。(^o^)b

  

それでも解決できなかったら?

ここまでやってもまだ問題があるのであれば……

という方法があります。是非、確認してみてください。(^o^)/

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