「みちびき2号機」が打ち上げられます

前記事でご紹介した、日本のGPS衛星「みちびき」の2号機の打ち上げ予定日が発表されました。(「みちびきって何?」を知りたい方はこちらをご覧ください。)

内閣府 宇宙開発戦略推進事務局 「みちびき2号機」(準天頂衛星)の打上げ予定日について

抜粋するとこんな感じです。

  • 打上げロケット:H-IIAロケット34号機
  • 打上げ予定日:平成29年6月1日(木)
  • 打上げ予定時間帯:09:20頃(日本標準時)(※)
  • 打上げ予備期間:平成29年6月2日(金)~6月30日(金)
  • 打上げ場所:種子島宇宙センター 大型ロケット発射場

(※)打上げ予備期間の打上げ予定時間帯は、打上げ日毎に設定されます。

H-IIAロケットってもう「34号機」なんですね! ちょっとびっくり……。

  

いつの間にかJAXAから内閣府に移管されていた

このニュースを見つけて色々調べていたら「JAXAから内閣府へ移管された」記事を発見。

準天頂衛星初号機の内閣府移管と「試験サービス」開始に向けた調整期間の確保について

そろそろ本格稼働する感じなんですね。

簡単にはこんなイメージで、2018年の4月から実用運用が開始されます。(今回は緑色の「2号機打ち上げ」です)

で。2号機が打ち上がると「試験サービス」が開始される予定なのですが……。

(※)多くの受信機では、アラートフラグをチェックしており、このフラグが設定されている信号は無視するため、測位結果に影響はありません。

という注意書きがありました。つまり……

試験中に発信されるGPS電波には「アラートフラグ("試験中ですよ"みたいな情報)が含まれている」ので、普通のGPS受信機はこの電波を無視します。その結果「試験期間中は一般ユーザーは恩恵を受けられませんよ」という意味です。w

残念……。orz

  

「みちびき」の目指す精度

で、まだ一般ユーザーは使えないのですが、このみちびきのプロジェクトの目指す精度というのが凄くてですね……

GPS誤差 6cm を目指す

のだそうで……。

6cmって! と思いますよね。w

それこそ「(実際にはかなり無理がありますが)GPSだけで車の自動運転ができる精度」です。ww

でも、ここまで精度が上がってくれると「カーナビを利用した運転が楽になる」と思います。

現在の20m精度だと交差点を行き過ぎます……。

 

  

でも既に対応機種は売り出されています

試験期間中はまだ「みちびき」の恩恵を受けられないのですが、既に対応機種は発表されていました。

みちびき対応製品リスト

いくつか抜粋してみましょう。

スマホ・タブレットPC

メーカー 製品名
スマートフォン
アップル iPhone 7 / 7 Plus
※日本販売製品のみQZSS対応
ASUS ZenFone 2 ZE551ML

代表的なところだけ抜き出しました。

iOSだと「iPhone7とiPhone7 Plus」が。
Androidだと「ZenFone 2 ZE551ML」が既に対応しています。

 

  

iPhoneの日本販売製品のみ対応!?

で。ものすごく気になるのが、アップルの欄に書かれている

※日本販売製品のみQZSS対応

(QZSS = 準天頂衛星システムの略称 = みちびきのシステム)

の文字……。
つまり…

日本で販売するiPhoneだけにQZSS受信機能が付いてますよ

という事ですよね?
気になったので日本のアップルのiPhone7のページを確認すると……

位置情報 : Assisted GPS、GLONASSおよびQZSS

としっかり書かれています。しかし「日本販売製品のみ」とはどこにも書かれていません。さらに英語の(日本向けではない)iPhone7のページを確認すると……

Location: Assisted GPS and GLONASS

QZSSと書かれていない!?

本当に日本で販売するiPhoneだけがQZSS対応しているのですね……。でもこれってどういう事なんでしょうか??

 

  

ZenFone2も確認してみる

因みにZenFone2も確認してみると…

ナビゲーション: GPS & GLONASS

書いてすらいない!w

まぁメーカーの意図とかもあると思いますが、書いてません。ww

ということは「メーカーごとに書いていたりいなかったりする」訳で「みちびき製品対応リストで確認するしかない」みたいです…。(^_^;

 

  

意外と多くの製品に使われているGPS

みちびき対応製品リストを見ていたら「意外と多くの製品でGPSを利用している」事に驚きました。

スマホ・タブレット以外には…

カーナビ・ドライブレコーダー・レーダー探知機・GPS専用機・デジタルカメラ・スポーツウォッチ・衛星電波時計・チップ・LSI・モジュール・タイムサーバー・シミュレーター・信号発生器・アマチュア無線機・トラクター・その他

というカテゴリーが存在しており、実に多種多様な製品でGPSが利用されていることがわかります。

しかもこのリストは「みちびきに対応しているものだけのリスト」なので、他にもっと多くの種類の製品で利用されていると想像できます……。(^_^;

  

政府のページに「レーダー探知機」が書かれているw

もう一つ驚いたのは内閣府のサイトの一部である「みちびき対応製品リスト」に「レーダー探知機」が書かれていることでした。w

レーダー探知機って政府も認めている製品なの!?

と…思いませんか?w
単純に考えると…

警察の監視を妨げる機器

と考えがちですが、もしかすると…

速度超過を抑止する機器

と認識されている(考え方次第ではそうとも言える)のかもしれませんね。w

●前記事 日本のGPS精度が上がる GPS衛星「みちびき」

 

  

打ち上げが成功しました。

2017.06.01
無事、打ち上げが成功しました! 引き続き状況を追っていこうと思います。

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