最近「SIMロック解除の義務化が今年の5月から発効される」という記事を目にするのですが、その根拠が全く見つからないので調べていたら…やっと見つけました。ww
総務省の公の文書です。
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総務省のサイトの(多分)去年の12月に改正された文書から、「SIMロック解除の適用開始日」が見つかりました。w
「平成27年5月1日以降新たに販売される端末について適用する」
と明記されています。
今回はこの「公の文書を読み解く形」で解説します。
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これは平成22年に始まった、SIMロック解除に関する検討会の資料で、今回の「今年の5月から」という事が改正によって加えられた文書です。 平成26年●月 というふうに「改正月が塗りつぶされている状態」で公開されており、実際にいつ改正されたのかが不明なのですが…。(^_^;
この文書に明確に「平成27年5月1日以降新たに販売される端末について適用する」という記述があります。
文書が長いので、要約しますと…
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(平成22年時点の話です)日本では現在販売される携帯端末は、基本的に「SIMロック」と呼ばれる設定がなされ、端末を販売する事業者のネットワークしか使えなくなっている。
これに対し、「海外渡航時に渡航先の携帯電話会社のSIMカードを利用したい」との利用者からの要望が存在した。
こうした要望を踏まえて検討した結果、様々な問題があったことから「SIMロック解除に関するガイドライン」を策定し、SIMロック解除の実施を求めた。
しかし、これまでのところ事業者によるSIMロック解除の実施は限定的であり、利用者利便を阻害するだけでなく、他業者へのサービスへのスイッチングコストの増加などが指摘されている。
また、近年のLTEやスマートフォンの普及によって、これまでの問題が解決しつつある。
以上を踏まえ、本ガイドラインは「事業者等がSIMロック解除する際に留意すべきと考えられる事項」を改めて示すものである。
読んで頂いた通りなのですが。
まず「利用者の利便性を損ねるSIMロックは行わないべきである」として、「SIMロックの解除を求めたが、実際には限定的に行われているだけで全くその効力を発揮していないんだけど…どうなってんの?」 としてw
「前には通信方法だとかいろいろな問題があったけど、最近スマホになったり、LTEになったり、MVNO(SIM売り)が流行ってきているからもう問題無いと思うんだけど…なにやってんの?」とし…
「やる気が無いみたいだから、法律で縛っちゃうね」 という事を言ってます。ww
(用語説明なので、飛ばします)
電気通信事業法は、電気通信事業者の事業の運営が適正かつ合理的でないため、国民の利便性の確保に支障が生ずる恐れがあるときに業務命令を発動可能としている。
SIMロックは、海外渡航時に現地国のSIMカードに差し替えて利用するといった利用者の行為を妨げ、その利便を損なう。また、事業者を変更する際のスイッチングコストが押し上げられ、差別化による競争を阻害する要因になっている。さらに新規顧客獲得の際の多額のキャッシュバックの一因となる事により、不公平性を助長している。
他方、事業者からはSIMロックを設定しない場合の懸念点として、①端末が必ずしも他の事業者のサービスに十分対応していないので、利用者に混乱が生じる ②販売促進費を抑制することにより、端末が高価になる ③事業者独自のブランド性が損なわれる などが挙げられている。
しかしながら、①は利用者に対し適切な説明をした上でその選択に委ねることが適当 ②はむしろ望ましい ③はSIMロックという手段で利用者を強制的に囲い込むことによってではなく、端末の魅力を最大限に引き出す通信サービスの開発・提供によって進めるべき。 このように、いずれの懸念点についてもSIMロック解除に応じないことの根拠とは認められない。
以上を踏まえると、利用者からSIMロック解除の申し出があったにもかかわらず事業者が正当な理由なくこれに応じないことにより、電気通信の健全な発達又は利用者の利益が損なわれる時は、業務改善命令の要件に該当すると考える。
したがって、事業者は、次項に示す方法により、利用者の求めに応じてSIMロックの解除に応じることが適当である。
ふぅ〜長かった…。 意味は変えていませんが、超要約しております。w
まず冒頭に「政府は通信事業の発達が健全に行われなかったり、利用者の利便性を阻害すると思われる時は、業務改善命令がだせるんだよ」と言ってから…
「実際に海外に行った時にSIMを差し替えて利用出来ないなどの問題が提出されていたりするんだけど…」
「事業者の言い分は、全部納得できないから業務命令だすね」
で、最後の一文が…「事業者は、次項に示す方法により、利用者の求めに応じてSIMロックの解除に応じてね」です。w
※ここからが重要なので全文引用します
(1)対象となる端末
1 事業者は、原則として自らが販売した全ての端末についてSIMロック解 除に応じるものとする。
2 ただし、SIMロック解除を行わないことが公正な競争又は利用者の利便 の確保に大きな支障とはならないと考えられるもの についてはこの限りで ない。
(2)SIMロック解除に関する手続
1 事業者は、可能な場合には利用者がインターネットや電話により手続を行 えるようにするなど、迅速かつ容易な方法により、無料で SIMロックの 解除を行うものとする。
2 ただし、端末の割賦代金等を支払わない行為又は端末の入手のみを目的と した役務契約その他の不適切な行為を防止するために、事業者が最低限必要 な期間はSIMロック解除に応じないことなど必要最小限の措置を講じる ことを妨げるものではない 。
(3)SIMロック解除の運用方針の策定
事業者は、SIMロック解除の対象となる端末及び手続等を定めた運用方針 をあらかじめ定め、公表するものとする。
と、言っています。そしてこれらの運用開始が「7」で記述されています。
(事業者の説明義務、手続きの方法の連絡、SIMロックを行うまたは解除するとどのような問題があるかの明示、修理を行う際の窓口 などを定めたものなので省略します)
SIMロック解除した端末は自由に利用できるように、SIMロック以外の機能制限についても、SIMロック解除された場合は併せて解除できるようにすること。
そのままですね。w そして「7」です。w
(1)本ガイドラインは、平成 27 年5月1日以降新たに発売される端末について 適用する。なお、それ以前に発売された端末については、平成 26 年●月改正 前のガイドラインの趣旨に沿って適切に対応することが適当である。
(2)総務省は、本ガイドラインの適用後の状況を踏まえ、必要に応じ本ガイド ラインを見直すとともに、所要の対応を行う。
はい!ついに来ました「ドーン!」
発効日の記述です。
・平成27年5月1日以降新たに発売される端末はこのガイドラインが適用されます
・それ以前に発売された端末については、「改正前」のガイドラインが適用されます。
という形になりました。
また、この「改正前」というのがどれを指すのか微妙ですが…。 SIMロック解除の要望に応じる は適用されると思います。 なので、まずは各ショップへ「SIMロック解除してください」と当然の権利のように言い放ってください。w
すると各ショップは「ははぁ〜(とはなりませんが)」と従ってくれる筈です。ww その際に「その端末をSIMロック解除すると何が問題になるか」などの説明があるはずです。しっかり聞いて納得できたら解除しましょう。
★4/1現在、5/1以前発売のものに対する解除は各キャリアがどうするかがまだ発表されていません。 因みにauで聞いてみたところ「まだ上からのお達しがない」との事。 結構難航しそうですね…。(^_^;