前にペットを探す記事で何度か「Bluetoothを利用したペット捜索」の道具を書きましたが、これは似て非なるものです。
いえ、とても画期的でまったく違うと言っても過言ではありません…。
こちらのMovieをご覧頂くと分かりますが…
それぞれのビーコンが通信をすることで、それぞれの位置が分かるという優れものです。(見えなくても3D座標がわかります)
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と思いませんか?
実は三角測量を使っています。 そしてこの商品は4個セットで売られています。(ここに秘密があるのです)
以下、簡単に三角測量をご説明します。
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三角形の内角の合計は180度。 これが三角測量の基本です。
例えば、沿岸から海の上に浮かぶ船の距離を測るとしましょう。
観測地点Aから船Sと観測地点Bの角度αを求めます。
同様に観測地点Bから船Sと観測地点Aの角度βを求めます。
すると三角形の内角の和は180ですから地点Sから見たAとBの角度が分かります。 これで沿岸から船Sの距離dが分かるのです。
これが三角測量の基本です。
しかし、このビーコンは電波を発しているだけなので、角度を測ることができません。 そこで距離測定を行います。
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3つの不明な地点A,B,Cがあったとします。
それぞれは電波を発信し、お互いに通信することができます。
まず、AからBの距離を測ります。
それぞれのビーコンがIDを持って、時間信号を送ると、どのくらいの時間差が出来ているか測ることで、それぞれの距離が分かります。
AからBの距離が分かると…
このようにAを中心にBまでの距離を円で描くことができます。 この時点ではまだ「BはAからの距離円の接線のどこかに居る」としか分かりません。
次にAとBからのCの距離を測ります。
すると…
このようにBの地点を2箇所に絞ることができます。 しかし、実際にはまだ以下が未確定です。
そして最後に「自分の位置」Dを加えます。
DからのA,B,Cの距離です。
すると…
このように4つの地点が完全に確定できるようになります。(図はあくまで理論です。 実際にはそれぞれの距離が違うのでこのような図にはなりません。)
ここまでは「円」で説明していますが、実際には3次元空間なので、「球」で考える方が正しく理解できます。w
上記の方法を球で求めると、立体(3D)座標が分かるのです。
ただ、それだけで立体座標を求めることができます。(^_^;
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これが「この商品が4品セットで販売されている理由」で、GPSが座標を特定できる理由なんです。w
この商品の利点は位置特定です。なので、(自分を含めて)4点を感知できないと、一気に精度が下がります。w 一個だけ使った場合、正直どこにあるかなんて解りません。 つまり、測定地点が多いほど精度が上がる仕組みで、最低(自分を含めて)4点の観測地点が無いと、対象物までの距離しかわからないのです。 それが4個セットの理由、3個まで認識できれば自分を入れて4点測定が可能になるのです。
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なので、ペット用としても悪くはありません。前記事のアニコールとほぼ同じような性能で、電池寿命が長く、他人のアプリから見つけてもらうことも可能。 またペット用の首輪アダプターもついています。w(防水性がわかりませんが…)
ペットが1匹しか居なかったら、家の中に座標ポインターとして、残り3個のビーコンを離して置いておけば結構正確にどの辺りにいるのかが把握できます。
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GPSの原理を使うなんて、面白いことを考えましたよね。ww
さて、この商品はまだ「予約中」です。
アメリカの会社ですが、調べてみたら日本にも発送してくれるようです。
本体価格が39.95米ドル。それに日本への発送料が10米ドル。
なので、49.95米ドルで購入できます。
商品購入に関しては商品ホームページをご覧ください。勿論英語ですが、住所とか名前とかだけなので、特に問題はないかなと…。
こういう新しい原理のものが次々と出てくるのは、面白いですね。(^o^)/