今回は、出たばかりの新製品、Panasonicの4Kビデオカメラについて書いてみます。
Panasonic プレスリリース HC-WX970M リンク
2015/1/23発売で、本当にまだ出たばかりの商品です。
これから春の撮影シーズンへ向けて、ビデオカメラ選びの一端となれれば幸いです。(^_^;
今まで私は(撮影対象が無い為…)ビデオカメラはあまり興味が無かったのですが、この商品は面白い機能が付いていたのでご紹介します。
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まぁ、4Kの30P(30fpsのプレグレッシブ)が撮影できるのは「4K ビデオカメラ」なので当たり前なのですが…。w
なんと…。
世界初※ HDR撮影ができるビデオカメラ
※2015/1/23現在 民生用デジタル4Kビデオカメラとして
なんです。ww
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HDRをご存知ない方の為に一応…
ハイダイナミックレンジ合成(ハイダイナミックレンジごうせい、英語:high dynamic range imaging、略称:HDRI、HDR)、とは、通常の写真技法に比べてより幅広いダイナミックレンジを表現するための写真技法の一種。(Wikipedia)
です。
例えばですねぇ…。
夕方に写真を撮ったとします。
この場合、空と地上に大きな「明るさの違い」があります。 ところが人間の目は非常に優秀で、この違いを使い分けてしまうんです。ww
しかし、スチルカメラやビデオカメラは違います。 この明るさの差を同時に見る事ができません。
カメラの場合、明るい空に露出を合わせると(空が綺麗に写るように露出を合わせると)、空は綺麗に写りますが、地面の景色は真っ黒になってしまいます。
また、その逆に地面に露出を合わせると、空が真っ白に飛んでしまいます。
…絶対に言葉だけだとご理解頂けませんね…。ww 説明のために簡単に撮影したのでお見せします。
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夕暮れを撮影してみました。(気合を入れて撮ってないので、美しいかどうかは度外視してください…w)
※この場合、地面を人(撮影対象)だと思ってください。
そうすると、ご覧のように地面が真っ黒になります。
今後は地面は明るく撮影できていますが、空が真っ白になってしまいましたね。
この様に「普通に撮影するとどちらかを選択する」か、「両方がなんとなくそれなりに見える明るさを選択する」しかないのです。ww
そこで、この2枚をHDR合成します。
すると…。
明るいところと暗いところを両方撮影してイイトコ取りする。
それがHDRです。
ところが、このようにHDRを撮影する場合、「明るいところが丁度いいもの」と「暗いところが丁度いいもの」の最低2枚が必要です。 2枚に限ったことではなく、より大量の露出の違う同じ写真を合成した方が全部のイイトコ取りが出来る為、より良くなります。(そうでない場合も勿論ありますが、基本的な考え方はそうですw)
しかしそこには問題があります…。
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例えばこの例をビデオで撮影するとしましょう。
例として1分の映像を撮影します。
空基準の暗い映像を1分間撮影。 次に地面基準の映像を1分間撮影。 すると、暗い映像の最初と明るい映像の最初に1分の差が生じます。 1分の差(に限らず5秒の差でも)というのは非常に大きく、この2本の映像に次の様な違いが生じます。
つまり、この違いによって合成結果には半透明の部分が出来てしまう、又は 合成結果が多重に見えてしまう 様になります。 「片方の映像にはあって、もう片方の映像にはない」というのはNGです。w
と、言うことは「HDRのMovieを撮影する為には」…
2つの映像を同時に撮影する必要がある
のです。w その方法はいくつかあると思いますが、簡単に思いつくのは2台で撮影する方法。 しかしこれだと「角度が違う」ことがバレる可能性が高い…。 そしてこれは被写体がカメラに近ければ近いほどバレます。w つまり接写には向かないのです。
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やっとこのカメラの説明に戻ります。w
(HDR解説が長かったですね、スミマセン…orz)
このカメラ、それを一台でやってのけると言うのです。w
まだ詳細は書かれていないので微妙ですが、ここから(いつもの)想像です。w 間違っていたらごめんなさい…。ww
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このカメラの説明の中に「HDR撮影はHDサイズでしか撮影できません」と書かれています。 これでピンと来ました。 「あ〜、そうやってるのかw」と…。
前記事で書いたように、4K映像とは、HD(2K)映像の4倍の大きさです。
つまり…。
HDサイズの映像なら、同時に4つ撮影出来る と言う事です。w
もう分かりましたか?(^_^;
この4つを同じレンズ、同じセンサーで同時に撮影できるのです。ww
そうしたら後は簡単。w 最近のカメラのCPUは非常に良く出来ており、このような合成もすぐに?処理できてしまいます。 撮影を終えて、プレビューする時には「HDR状態でプレビューできる」のでしょう。
これはすごい!w
と言うか、非常に面白い。ww ちょっとやってみたいです。(^_^;
HDRが特に役に立つのは「逆光」の時です。 お子さんやお孫さん、はたまた彼女を逆光で撮影して黒くなってしまう経験はありませんか?
この逆光はHDRが一番得意とするものです。 一言で逆光と言うと太陽を背にして撮影と思われるかもしれませんが、夜のライトアップされた建物の前に立つ(シンデレラ城の前とか)。 木陰で写真を撮る。 そういう時でも逆光になってしまいます。
こういった状況を機械的・技術的に解決できる方法の一つなのです。近い撮影方法でフラッシュを焚いてさらに長時間撮影を行うというのがありますが、この場合、どうしても長時間撮影のアラが出ます。 多重になってしまったり、背景が流れてしまったり。そうなってしまった写真は修正できませんが、HDRならばそれぞれが別映像なので、知識のある人なら修正できます。(問題はこのカメラのHDR映像がどういう構造になっているか次第ですが…)
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もう一つこのカメラの機能として面白いものがありました。
ワイプ撮り
なんだそれ??(゜゜)
と思いました。w
普通に考えると「ワイプ」というのは、2つの画像が切り替わるときに入れるeffectのことなのですが……で?
という感じで要領を得ません…。
いろいろ調べてみたところ…。やっと理解できました。w
良く、マラソンの放送とかで「通常はランナーを写している映像が出ていて、時々違う中継車の映像が左下に小さく入ったり、解説者の紹介の際に左下に小さくその人の映像が入ったり」しますよね? 今回はその 「左下に入れる小さい映像」 の事をワイプと称しているようです…。
いや、確かにあれもワイプと言うかも知れませんが…。 何だかまた「和製英語」を作ってしまった感がありますね…。w
まぁ、それは置いておいて。ww
↓これですね。w
Youtube Weekender by HITEC Q4i HD200 室内撮影 (夜)
これの左上に出ているような小さい画像をワイプと呼んでいるようです。w
面倒なので以下、こういうのをワイプと呼びます。ww
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通常、このワイプを作る際は「2台以上の別のカメラで撮影して、それを映像編集ソフトで合成」します。
それを一台のカメラでやってのけるという…。w
よく見たら、プレビュー画面の裏に小さいカメラが付いていて、その映像を同時に合成させる様です。
なるほど… 仕掛けとしては簡単だったのですね…。 確かにこれだったら「メインでは寄っている映像」でも、実際にその周囲で何が起こっていたかという「ワイドの映像」をワイプ画面として同時に見ることができますね。w ふむ。 使い方を考えたら意外と面白い絵が作れそうです。
しかし、私が注目したのはそこではなくて…
ワイプ画像にWifi接続したAndroidやiPhone、iPad、iPodの映像を入れこめる
という機能です。w
これは面白い!(^o^)/
完全に別アングルの2台カメラ体制でワイプに入れ込むことができるという。ww まぁ、そうなるとカメラマンが2人必要になりますが、これは面白いです。ww
色々やってみたくなります。w
制限として「カメラから10mくらいまでしか届かない」ということなので、基本的にカメラから離れる事が出来ないのですが、これは色々楽しめそうです。ww
ふむ。 124,500円 …安くはないんですよね…。w
しかし、この手の最新ビデオカメラにしてはかなり安いんです。
普通は20万円超えてもおかしくないので…。
しかし、20万円越えると「民生用じゃなくても良いのでは?」と思いますが、そうなるとデジタルベータとかになってしまうので、再生機材も別に用意する必要があったりして…。
結果的には良くないのかも知れません。w
そう考えると実は結構手頃な値段なんです。(^_^;
もうすぐ春。
お子さんやお孫さんの入学式の撮影に、春が来た事を喜ぶペットの撮影に と結構活躍してくれそうです。
桜が満開の映像 と言うのは何を撮っても絵になるものです。w